3月7日、冬と春が日替わり当番で訪れる東京。
土佐和紙プロダクツのタケムラナオヤさんが出張で東京にいらっしゃるということで、お時間をいただいてお会いしてきました。
待ち合わせは19時に上野公園の西郷さんの銅像の前、昭和の待ち合わせスタイルです。
前日の気温は15°、この日の基本は5°、、、
と、調子が狂ってしまいそうな雨が降り肌寒い夜、待ち合わせの場所「西郷像の前」に向かう。
上野の西郷さんと言えば、幼い頃に長崎から上京してくる親戚のお兄ちゃんをいつも迎えに行った思い出の場所。
そんなワクワクする場所で、初めてお会いするタケムラさんを見つけられるかなぁ〜っとドキドキしながら、階段を上がっていくと、スーツケースに傘をさされて佇んでいる男性が独り、、
「はじめまして」(タケ)
「スミマセン、遅くなりました。。」(私)
お互いが分かるのに時間はかかりませんでした。
というのも、猫一匹いないのです。
雨音しかしない静まり返った夜の上野公園。
西郷さんは目の前の修復工事中の看板と睨めっこ。
今時こんなところで、待ち合わせするのは私たちだけ。
時代は平成なんですね。。。
その後、ちょっと不思議な飲み屋に移りデザイナーでもあるタケムラナオヤさんと意気投合、時間も忘れていまの高知の現状や、これからのデザイナーとしての立ち位置、それから『土佐和紙プロダクツ×スーベニアプロジェクト』でできる可能性など、とても勉強になりましたし、刺激にもなりました。
TOSAWSASHI PRODUCTS[土佐和紙プロダクツ]は、ディーディーオフィスの吉岡綾子さんと、タケムラデザインアンドプランニングのタケムラナオヤさんによる土佐和紙を使ったものづくりユニットです。
はじまりは2009年秋、7人の紙漉職人とタケムラさんが企画した「使える和紙展(いの町の紙の博物館で開催)」だったそうですが、その展示会で生まれた提案やアイデアをブラッシュアップし、商品化に発展されたそうです。
お二人はその後、デザイナーという枠を超えて、実際に「使える和紙展」で出会った紙漉き職人さんたちが取り組んでいる楮栽培の現場で刈り取りを手伝ってみたり、原料の煮込や叩きなどの加工工程、実際に流し漉きや試し漉きまでを学んでみるなど、川上から川下まで土佐和紙の全体を学ぶ取り組みも行っています。
手漉き、機械漉き両面の表情を持つ土佐和紙全体を多くの人に知ってもらい、伝統工芸としての枠組みにもうひとつの顔を加える一助となればという想いがあるそうです。
その想いというのが私たちスーベニアプロジェクトと同じ方向を向いており、今回、お会いさせていただく運びとなりました。
タケムラさん曰く、
「地方と東京は繋がれるけど、地方と地方は接点がない。。。」
という問題点を挙げてらっしゃいました。
たしかに、おっしゃる通りですよね。
スーベニアプロジェクトでは、『チイキ=チイキ』を繋ぐというコンセプトがあります。
例えば、『土佐和紙』と『輪島塗』が出会えたら、素敵ではないでしょうか!
『土佐和紙』と『美濃和紙』が出会ったら、、、なんて考えただけでもワクワクしちゃいます♪
スーベニアプロジェクトを通じて、そのような「産地の架け橋」ができたら楽しいなと思います。
もちろん、しっかりと流通に乗せることまでが役割だと感じておりますが。
タケムラさんとの出会いを通じて、土佐和紙プロダクツとの出会いを通じて、日本各地に眠っているワクワクが少しずつ動き出したように感じます。
近いうちに土佐(高知)に行きます!
職人さんにもお会いしたいですし、作業工程も体験してみたい。
お酒とお魚の美味しい高知を堪能したい!
その時は、とびっきりのアイデアを鞄にいっぱい詰めて、タケムラさんに手渡したいと思いますw。
【独特な風合いが特徴の土佐和紙プロダクツ:便箋、方眼紙、原稿用紙、手紙セット、メモ帳、領収書など、今後ご紹介します】
Yoshiharu KOIKEDA
▶ ART DIRECTOR / DESIGNER
1978年生まれ、桶川育ち。文化服装学院流通専攻課程スタイリスト科卒。バイクで日本一周を敢行。2003〜2008年の間、イギリスに留学。LSC、Central Saint Martins College of Art & DesignでGraphic and Industrial Designを専攻。2008年に帰国後、シミコムデザインを設立。2011年にスーベニア・プロジェクトを始動。
Twitter:@shimicomdesign