2011年1月よりSouvenir Projectが始動し、イイモノ探しのために日本各地を巡っています。
各地域には、昔から伝わる伝統工芸があり、その歴史や製造工程などにいつも感動させられますが、ほとんどのものが高級品として販売されています。
元々、『主として日常の用に供されるものであること』と定義される伝統工芸品ですが、いつの間にか使うモノから観賞するモノへと変わりつつあると強く感じてなりません。
しかし、昔から日常生活のために作られ、代々その製造方法が伝えられてきたモノがあります。
それが『民藝品』です。
今でもその地域の方々の日常生活の必需品であり、そのため値段も安価なものが多いのです。
最近、一冊の本を読む機会がありました。
Discover Japanが発行している『民藝のうつわをめぐる旅』。
日本全国より抜粋された地域の民藝を紹介しているのですが、民藝の起こり、歴史、特徴、制作方法、現在の名工等、民藝初心者の人でも分かりやすく書かれています。
また、民藝運動の発起者である柳宗悦を始め、その当時の民藝運動により今の民藝が日本中に知られ、広められたことなどが明確に書いてあります。
その中には、民藝として定番デザインであった鳥取県因久山の窯で制作された器を、柳宗悦の息子である柳宗理がモダンデザインへとリデザインした内容も紹介。
半世紀以上も前のデザインなはずなのに、今でもモダンさを感じる素晴らしさには、頭が下がります。
歴史が得意ではなくても、普段見かける食器が物語の主人公なので、民藝としての食器の趣を知り、そして独特な美しさの謎を解いていく感覚がとても幸福な気持ちにさせてくれます。
まだまだ学び途中のSoubenir Project。
地域の方々と密に関わり、学び、多くの方々に地域の素晴らしい情報を発信していければと思っています。