森をおもふ。

森をおもふ。

港区立エコプラザで開催されている、全国の森林組合の合同展示会に伺いました。

先日、高知で取材させていただいた大正町森林組合の高橋さん(ヒノキカグ大正集成)もいらしていたり、東京都森林組合の方にもご挨拶させていただきました。

森をおもふ…【スーベニアプロジェクト】大正町森林組合

 

いま各地域の林業は大きな問題を抱えております。

「木材が売れない」というこの時代の背景には、
円高により輸入木材が安価で流通していること、
逆に国内産の木材は価格は高騰してしまっており輸出量が激減している問題や、
山間部での若者の林業離れなども挙げられます。

実際に林業労働力は大幅に減少し、高齢化が深刻化しています。
林業就業者はおよそ50年前に比べ5分の1に減少し、50歳以上が71%を占めているのが現状です。
森林組合作業班員の高齢化が進行しているのも、林業を目指す若者が少なくなっている理由かもしれません。

林業労働力が減少した要因として、
1、林業の仕事量が減少したこと
2、林業の労働条件が悪いこと
3、山村の過疎化
などが考えられており、そんなマイナス面を知った上で、

「山に携わる仕事がしたい!」

と、思う若者はいるのでしょうか。

私もボランティアで東京(奥多摩)の森で森林整備の活動をしています。

実際に森で働いてみると分かるのですが,
機械化や省力化がほとんど出来ないのが営林であり、
間伐する作業は簡単なものですが、その間伐をした木を
林道も整備されていない傾斜のある斜面から運び出す作業は、
言葉では言い表せない程に大変な作業なのです。

そして、苦労して運び出した材であっても、有効な使い道が見つからなければ、運び出すコストの方が売価を上回るのが現状であり、よって、材が売れません。

たとえ製品にする場合であっても、製材や加工など工程が必要となりますので、1人で作業を完結することはできません。

日本全国でそんな悪循環に陥っているのです。

また、森林再生のビジネスを思いついたとしても、植林してから材木になるまで数十年もの時間を要するので、短期的な循環ビジネスにはなりにく、手が出し難いのも問題と言えるでしょう。

ただし、ここ近年の動きとして、
・岡山の「ニシアワー
・高知の「ヒノキカグ大正集成」、「84プロジェクト」、「土佐山百年構想」、「土佐山アカデミー
・東京の「みんなの森
などをはじめ、少しずつではありますが、
デザインチカラも加えつつ若い世代の興味を惹き、
人々の目が森に向くようになってきた気がします。

私たちは東京の「みんなの森」で活動しております。
週末を使って山の森林整備を行なったり、林道を造ったり、子供達が自然の森の中でおもいっきり遊べるアドベンチャーフィールド「冒険の森」の整備をしたり、森の中で様々な面白いイベントを開催したり、年代も関係なく大人から年配の方までが『森』をテーマに交流できるコミュニティを形成しています。

誰でも気軽にご参加いただけることをコンセプトにしておりますので、森のこと、山のこと、自然のこと、子供のこと、おじいちゃんのこと、遊びのこと、ワクワクすること、少しでも興味があれば、ぜひ一度足を運んでみてください。
(毎回、参加者全体の2割は初めての参加者です)

お問い合わせは『みんなの森事務局』、もしくは私たちにご連絡ください。

日本の森が抱える問題は苦境ではありますが、いまが転換期であることも確かです。

私たちにできることは多くの方に、森へ足を運んでもらったり、興味を持っていただくこと。
まずはそこから始めます。

スーベニアプロジェクト『Yoshiharu KOIKEDA』

Yoshiharu KOIKEDA

▶ ART DIRECTOR / DESIGNER

1978年生まれ、桶川育ち。文化服装学院流通専攻課程スタイリスト科卒。バイクで日本一周を敢行。2003〜2008年の間、イギリスに留学。LSC、Central Saint Martins College of Art & DesignでGraphic and Industrial Designを専攻。2008年に帰国後、シミコムデザインを設立。2011年にスーベニア・プロジェクトを始動。

Twitter:@shimicomdesign